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褒めたくなるまで褒めるの禁止!:心理士が提案する、こども観察のススメ

  • 執筆者の写真: オペラント 合同会社
    オペラント 合同会社
  • 6月12日
  • 読了時間: 3分

「褒めろと言われても、褒めるところがないんです」


「こどもは褒めて育てましょう」と聞いて、そう思ったことはありませんか?


保護者の方は、日々こどもの成長を願い、一生懸命関わっているからこそ、そう感じてしまうのかもしれません。


このような時、「要求水準(求めるレベル)を下げてみましょう」というアドバイスを耳にすることもあるでしょう。

もちろん、完璧主義を手放すことは大切です。

しかし、果たして人は、自分の要求水準を能動的に「下げる」ことができるものでしょうか?


私は、そこには難しさがあると感じています。なぜなら、人の要求水準は、意識して「下げよう」と努力するものではなく、「あることに気づいたときに、自然と、自動的に下がるもの」だと考えているからです。

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要求水準は「下げる」ものではなく「下がる」もの

私たちは、こどもに期待します。それは、愛情や成長への願いからくる自然な気持ちです。しかし、その期待(要求水準)が、時にこどもの「現状の力」とかけ離れていると、「褒めるところがない」と感じてしまう原因になります。


例えば、まだひらがなが書けないこどもに「きれいな字で書けるようになってほしい」と願うのは自然ですが、その「きれいな字」の基準が、小学3年生レベルを想定していたらどうでしょう? 毎日練習させても、なかなか理想通りにはならず、結果的に「褒めるところがない」と感じてしまうかもしれません。


この時、「もっと簡単に考えて、要求水準を下げましょう」と言われても、頭では理解できても、心から納得して実践するのは難しいのではないでしょうか。なぜなら、保護者の方がこどもの「本当の今」の姿をまだしっかり捉えられていない可能性があるからです。


「褒める」を見つける第一歩は「こどもをよく観察すること」

では、どうすれば良いのでしょうか? 私が提案したいのは、「こどもを、もっとよく観察しましょう」ということです。

「褒めるところがない」と感じる時は、もしかしたら、保護者の方のこどもを見る「レンズ」が、少しだけ曇っているのかもしれません。期待フィルターがかかっていたり、過去の経験や他のこどもとの比較フィルターがかかっていたり…。


そのフィルターを一旦外し、「ありのままのこども」を観察することに意識を向けてみてください。

  • どんな時に、どんな表情をしているか?

  • 何に夢中になっているか?

  • 昨日と比べて、今日できるようになった小さなことは何か?

  • 苦手なことでも、ほんの少し粘り強く取り組めた瞬間はないか?

  • 他のこどもにとっては当たり前でも、そのこどもにとっては大きな挑戦であることは?


こうした視点でこどもを丁寧に観察することで、これまで見過ごしていた小さな成長や努力の兆し、そのこどもなりの「できた!」の瞬間に気づくことができます。

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無理に褒めずに「すごい!」と思えるまで観察する


こどもをよく観察し、その「現時点での力」を知ることで、保護者の方の心の中で、こどもへの要求水準は自動的に下がっていきます。

そうして「今のこの子がこれができたのはすごい!」と思えたときに、褒めてあげてください。

「褒めるところがない」と感じた時こそ、一歩立ち止まり、目の前のこどもを、まるで初めて出会うかのように新鮮な気持ちで「観察」してみてください。きっと、そこには沢山の「褒めるべき瞬間」が隠されているはずです。


もちろん、褒めるところ見つけられた自分自身も褒めてあげてくださいね。

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